ピックについて

はじめに

前回の記事ではドラフトに採用されているカードを大まかに紹介しましたが、今回はこうして採用された様々なカードの中から自分が使うカードを選ぶ場面、すなわちピックを行う際の考え方について紹介します。

ピックのルール

まず当ブログにおけるピックのルールについて振り返っておきましょう。
(以下、「遊戯王ドラフトの遊び方」より引用)

  1. 参加者1人につきランダムに20枚の束を3つ作る

  2. それぞれの束につき、以下を15回繰り返す(2つめの束のみ逆回りに行う
    • 束から好きなカードを1枚とる(これを 「ピック」 と呼ぶ)

    • 隣の人に束の残りを渡し、隣りの人から束を受け取る
    • 残りの5枚は誰も取らないカードとして流します
  3. 獲得したカード(45枚)と配布カード(5枚)でデッキを組む
    (メインデッキは30枚、エクストラは0~15枚。残りのカードはサイドデッキ)

  4. DUEL!

このようにデッキに入れられるカードを選ぶのがピックですが、今一度確認しておきたいのは「デッキに入れられるカードが50枚(+α)しかない」という点です。

同じカードが1枚ずつしか入れられない上に選択肢が限られるドラフトでは、ピックを通じて選択肢をより良いものにすることがとても重要です。

「では実際にどのような取り方をすればいいのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。

人によって考え方は様々に異なりますが、その中にもある程度共通する内容があります。

ここからは、そうしたピックを行う際の代表的な考え方をいくつかご紹介していこうと思います。

代表的な考え方

1.出せば勝てるカードを取る
いわゆるエースカーを取ろうという考えです。どんなデッキで戦うにせよ、勝つための手段を用意しておくのは非常に重要です。

例えば《破械雙王神ライゴウ》はリンク4と重めですが、出せれば多くの破壊効果でデュエルを大きく有利にできます。

また<The supremacy SUN>は構築戦で活躍することは少ないカードですが、破壊以外の処理手段が限られるドラフトにおいては一度出れば何度でも蘇る強力なモンスターとなります。

こうしたエースカードは数も限られているため取り合いになりやすく、序盤に取られる傾向が特に強いです。

2.特定の動きについて中心的な役割を果たすカードを取る
デッキのメインエンジンになるカードを取ろうという考えです。

例えば【アンデット族】における《馬頭鬼》、【植物族】における《ローンファイア・ブロッサム》、【岩石族】における《ブロックドラゴン》のように、そのカードの有無によってデッキの動きや強さが大きく変わるカードがいくつか存在します。

こうしたカードを優先的に取ることでデッキのコンセプトを明確にしやすくなり、次の3.の取り方もしやすくなります。

3.今まで取ったカードと結びつきの強いカードを取る
カード間のシナジーを重視して取ろうという考えです。組み合わせによって単体の性能以上に強さを発揮するカードはドラフトにおいても非常に多いです。

例えばPモンスターはP召喚の性質上、Pモンスターが多ければ多いほど強さを発揮するカード群です。

他にも《青眼の白龍》や《白き霊龍》は《太古の白石》を、《白闘気海豚》は水属性モンスターを一緒に取ることでより強さを発揮します。

4.デッキによらず強いカードを取る
いわゆる汎用カードを取ろうという考えです。

例えば《ブラック・ホール》や《ハーピィの羽根帚》といったカードは1枚で複数枚のカードに対処できるカードであり、どんなデッキでもまず間違いなく採用されるでしょう。

また、EXモンスターに関しても、出す条件が整えられるデッキであれば安定した強さを発揮してくれるものが多いです。

5.他の人の取ったカードを予測して取る
他の参加者とコンセプトが被らないように取ろうという考えです。

プール内に入っているカードが限られているため、特定のカード群を複数人で取り合ってしまうとお互いに強いデッキを組めなくなってしまいます。

先ほど例に挙げたPモンスターはこうした性質が顕著に表れるカード群の1つです。

このため取るカードの傾向が他の人と被ってしまう事態はなるべく避けたいです。

そこで、一度見た束が再び回ってきた際に取られたカードを把握し、他の人がどんなカードを取ってどんなデッキを組もうとしているのか大まかに予測することが重要になってきます。

予測をした上で他人との衝突を避けるのか、それとも意地を張るのかの判断はデッキの完成度に大きく関わってきます。

6.カードの比率を考えて取る
モンスター、魔法、罠カードのバランスを考慮して取ろうという考えです。

デッキやカードの種類にもよりますが、モンスターばかりのデッキでは相手の行動への対応がしづらくなります。

逆に、魔法や罠ばかりのデッキでは戦闘を行うモンスターがおらず、ライフを削る手段が乏しくなってしまいます。

また、モンスターの中でもEXデッキとメインデッキのバランスは大切です。

EXデッキのモンスターが少なければデッキの対応力や安定感が下がってしまう一方で、EXデッキのモンスターばかり取っていては召喚すること自体が難しくなってしまいます。

こうした各カードをバランスよく揃えることで、円滑に動けるデッキを組む大きな助けとなります。

ここまで代表的と思われる考えをいくつかご紹介しましたが、これら以外にも人によって様々な考え方があります。
また、ピックの状況に応じて優先される考えも順々に変わっていきます。

例えば、カードをあまり取っていない序盤ではエースカードやギミックの核となるカードを優先する傾向が強く、3つ目の束からとる際には既に取った多くのカードと組み合わせて強いカードが優先されがちです。

おわりに

今回はドラフトのピックにおける考え方を紹介させていただきました。
上述したように、ピックの際に考えることは多岐に渡り、かつ個々人によってブレの大きい部分であります。

ですので本記事では全体的な紹介にとどめていますが、より詳しい部分についてもいずれ解説をしたいと思っています。

また、このブログを見て遊戯王のドラフトに触れ、自分はこう思ったなどの意見をお持ちの方がいらっしゃれば是非コメントしていただけると参考になります。


本記事の内容は以上となります。ここまで読んで下さりありがとうございました。


七夜

【ライター情報】
初めて買ったパックはGLADIATOR'S ASSAULT。
小さくてかわいいキャラに目がない。
好きなカード:《BF-精鋭のゼピュロス》